原作を知っている悲劇なのか?

時代劇専門チャンネルで放映したのを録画してもらっていた映画蝉しぐれを観ました。
う〜ん・・・。
やっぱりちょっと受け入れられない。
NHKドラマの方が好きだったかな。
でもラストシーンの美しさで、だいぶ許せたかも。
最後の方は結構良かった。
僕は原作のキーワードは「後悔」だと思っていて、そういう感情がところどころで後半はうまく活きていたかと。
そして、家老への殴りこみシーンはランボー2をなぜか思い出す。爆
せっかくなのでここから先は続きを読む機能を使おう。笑
映画を見たい方は読まないように
①全体の構成
長編を映画化したから仕方ないのだけれど、やはり駆け足すぎる。
あれならもっとエピソード絞ってもいいと思う。
序盤の矢田さんなんていなくていいし、剣術関連もあんなのなら無くていい(犬飼がいる意味あったのか?)
いっそのこと与之助さえも出てこなくても成り立つ。
小説は短編が重なり合うような面白さがあるけど、あんな風になぞるくらいなら最初からラブストーリーメインにすりゃいいのいん。


②キャスティング
子役下手だろ・・・。
特に文四郎と逸平。
市川染五郎はまぁまぁかな。
もう少し芯が強い感じが欲しかったかと。
今田耕司ふかわりょうは、もう事前に散々ガッカリしたので逆に許せた。
でもどうせなら逆だろ・・・。
他は助左衛門の緒方拳もイマイチだったかな。


③原作との相違点でおかしいところ。
斬り合いシーン人多すぎ。
一応里村派も表に出来ないことしてるのに、あんな大人数で斬り込みに行くか?
しかも文四郎と逸平フラフラしすぎだし。
あれじゃさすがに斬られないか?
まぁ無益に人が死んだことを強調したいみたいだったけどさ。
ついでに刀をあんだけ用意する時間どこにあったんだ?
散々足音聞こえてたのに。
あと、文四郎とふくが逃げるときの与之助完全におかしい。
何であの二人が逃げてくるってわかってるんだよ!
里村家老に襲われたのはアクシデントだろ?
あんな用意周到にいるわけがない。
無理に親友の助けみたいなシーンはいらん。
完全なる蛇足。
ついでに助左衛門との親子対面シーン。
なんで切腹直前の罪人と、あんな広い座敷で監視人も無しに対面できるんだよ!
おかしすぎるだろ。


④映像全般
自然の美しさとかをしっかり撮りたかったのはわかる。
が、それを意識してカメラを引いた風景シーンが多すぎて逆に鼻についた。


ああ、文句言い過ぎた。笑
原作に愛情がありすぎるんです。
読書好きになったのは確実に藤沢周平蝉しぐれを読んだから。
言ってみれば、僕の人生を変えてくれた本です。
まぁこれをきっかけに本を読んでくれる人が一人でも増えれば満足です。
ぜひ原作も読んでください。

蝉しぐれ (文春文庫)

蝉しぐれ (文春文庫)